トレンドラインは、トレンドを把握する上でとても重要なテクニカル分析です。
そのため多くのトレーダーがチャート分析に使用しています。
しかし、「トレンドラインでなにが分かるのか」を理解して引いている人は少ないです。
そこで今回は、「トレンドラインとは?」「引き方」「分かること」「注意点」をFX初心者にも分かりやすく丁寧に解説しています。
- トレンドラインについて詳しく知りたい
- トレンドラインの引き方を知りたい
- トレンドラインでどんなことが分かる?
本記事はFX歴2年の現役トレーダーが執筆しています。
トレンドラインとは?

トレンドラインとは、相場の方向性(トレンド)に合わせて引く線(ライン)です。
一般的な使い方は、メイントレンドの調整同士を結んで引きます。
ここで注意して欲しいことがあります。
当然ですが、トレンドラインはトレンドが出ていないと引くことができません。
たまに、レンジ相場に対して無理やりトレンドラインを引いている人がいます。
引けないこともないですが、無理やり引いたラインは機能しにくく余計なバイアスがかかります。
とりあえず初心者のうちは、分かりやすいトレンドが出てから引くようにしましょう。
トレンドの見極め方は下の記事を参考にしてください。

トレンドラインの引き方
それではトレンドラインの引き方を見てみましょう。
上昇トレンドの場合と下降トレンドの場合を分けて説明します。
上昇トレンドの場合
上昇トレンドの場合は2点以上の目立つ安値同士を結びます。
上昇トレンドのトレンドラインのことを、下に行こうとする価格を支持している線ということで「下値支持線(サポートライン)」と言います。

下降トレンドの場合
下降トレンドの場合は2点以上の目立つ高値同士を結びます。
下降トレンドののトレンドラインのことを、上に行こうとする価格の抵抗となっている線ということで「上値抵抗線(レジスタンスライン)」と言います。

トレンドラインを引くと分かる3つのこと
トレンドラインはとりあえず引けば良いというものではありません。
「引くことでなにが分かるか?」を理解していないトレンドラインは、ただのかざりになります。
次の3つのことを意識して引くようにしましょう。
- 調整の目安
- トレンドの強さ
- トレンドの転換
調整の目安

トレンドは継続する性質がありますが、永遠に上がり続けたり、下がり続けるわけではありません。
必ず一時的な調整が入って、またトレンド方向へと相場は進んでいきます。
※上昇トレンドの調整を押し目、下降トレンドの調整を戻り目と言います。
例えば上昇トレンドが形成されているとすると、上がった分の3分の1だったり、2分の1下がって(調整)また上昇トレンドが継続するという流れです。
しかしこの調整がどこまで入るのか?は誰にも分かりません。
その時、多くのトレーダーが目安にしているものがトレンドラインです。
トレンド形成中に一時的な調整が入ってトレンドラインに当たると、調整が終わったと判断するトレーダーが出てきます。
そのトレーダーたちは、トレンド方向に取引をしようとしますので、さらにトレンドが継続するという流れが一般的です。
トレンドの強さ

トレンドラインの角度によって、そのトレンドの強さが分かります。
トレンドラインが「急角度になればなるほどトレンドは強い」「緩やかになるとトレンドは弱い」と判断します。
緩やかなトレンドはもちろん長くは続きません。
しかし急すぎるトレンドも確かにその時は強いですが一時的なものが多く、トレンドラインも短命になることが多いです。
つまり急すぎず緩やかすぎない角度で引けるトレンドラインが長く効きやすく、トレンドも長く継続します。
トレンドラインの角度について詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

トレンド転換

トレンドラインを引くことでトレンドの転換にもいち早く気づけます。
トレンドラインを調整の目安にしている人が多いため、そのトレンドラインを抜けるとそれはもはや調整の動きではなくなります。
「反対側のトレンドが出ているか」「レンジになっているか」もしくは「別の角度のトレンドに移行したか」のどれかになります。
どっちにしろ、今まで意識されていた角度のトレンドは終わっていることが分かります。
トレンドライン4つの注意点
トレンドラインは1本引くだけで、相場のトレンドを把握できる優秀なものです。
しかし、活用するときに注意して欲しいこともあります。
- 過信しすぎない
- ゾーンとして捉える
- トレンドラインを抜けても確実なトレンド転換とは言えない
- 短いローソク足はだましが多い
過信しすぎない
相場はさまざまな思惑があり、チャートが作られていきます。
いくら綺麗なトレンドラインが引けたとしても、また同じラインで反発するとは限りません。
自分の引いたトレンドラインを過信しすぎないようにしましょう。
ゾーンとして捉える
トレンドラインは多くの人が取り入れています、人によってバラつきが出やすいです。
また使っているチャートツールも人それぞれですので、同じラインを引いていたとしてもツールよるズレはどうしても出てきてしまいます。
トレンドライン手前や、少し抜けてから反発することは良くあります。
トレンドラインは「ピタッと反発する線」というより、「この辺で反発するゾーン」として捉えるようにしましょう。
トレンドラインを抜けても確実なトレンド転換とは言えない
1本のトレンドラインを抜けても、緩やかなトレンドに移行しただけでトレンドが継続していることがあります。
その時はトレンドラインを引き直す必要があります。

短いローソク足はだましが多い
短いローソク足でひいたトレンドラインは、だましが良く起こります。
トレンドラインを抜いたと思ったら長いひげを付けて戻って来たり、と思ったらまた抜いたり…
短いローソク足は突発性の出来事でかなり激しく動きますので、最初はなるべく長いローソク足を選んでトレンドラインを引いてほうが良いと思います。
何回も練習することが大事だよ
トレンドラインのまとめ
最後に本記事の内容をまとめます。
トレンドラインとは、相場の方向性(トレンド)に合わせて引く線(ライン)です。
- 上昇トレンド・・・安値同士を結ぶ
- 下降トレンド・・・高値同士を結ぶ
トレンドラインで分かる3つのこと
- 調整の目安
- トレンドの強さ
- トレンドの転換
4つの注意点
- 過信しすぎない
- ゾーンとして捉える
- トレンドラインを抜けても確実なトレンド転換とは言えない
- 短いローソク足はだましが多い
以上となります。
トレンドラインは、しっかり意味を理解して活用出来たら大きな武器になります。
ぜひ身に付けて相場分析を楽にしてください。
最後まで読んでくれてありがとう